アマルティアが引退、繁殖牝馬に

アマルティアが引退、繁殖牝馬に

5歳牝馬のアマルティアが、2018年12月2日(日)の中京9R豊川特別11着を最後に引退すること発表されました。今後は、生まれ故郷の幾千世牧場で繁殖牝馬となるそうです。出資してから引退までの出来事を振り返ります。

アマルティアのプロフィール

アマルティア募集時の写真

アマルティアは、幾千世牧場生産の牝馬で2013年3月17日生まれ。
父アドマイヤムーン、母エミネントシチー、兄にエスポワールシチーがいるという血統です。

1歳・出資を決める

一口馬主になろうと思い、いくつかのクラブを検討している中で、僕に朗報が届きます。

新規入会でエスポワールシチーの半妹1口プレゼント!

他のクラブも検討していましたが、1口プレゼント(1/400口)は魅力的。
これがきっかけでターファイトクラブに入会しました。

2歳・デビュー戦を迎える

2015年7月1日、栗東・安達昭夫厩舎に入厩。
2015年9月12日、阪神・芝1600mでデビューしました。

アマルティア新馬戦

新馬戦では松山弘平騎手が騎乗し、後に重賞勝ち馬となるエアスピネルやロジクライと対戦して、11頭立ての8着と敗れています。今思えばレベルの高い新馬戦でした。

3歳・ダートに転向して初勝利を挙げる

デビューから芝のレースを3戦しましたが大敗が続き、5戦目でダートに変わり5着と初めて掲示板に載ります。
その後、3着・2着・3着と馬券に絡むものの惜しい競馬が続きました。この頃は、手応えは良いのに、そこから伸びない感じでしたね。

未勝利戦を勝ち上がったアマルティア

2016年9月10日、8戦目で迎えたスーパー未勝利戦(阪神・ダート1200m)で初勝利を挙げました。
スタート良く先手争いに加わり、1枠1番を生かして3コーナーで先頭に立つと、そのまま後続の追撃を凌いで1着でゴールしました。
同世代のジェルミナーレが先に勝ち上がり、口取り撮影は経験していたので、アマルティアの口取り撮影は僕にとって2頭目(2回目)でした。騎乗した藤岡康太騎手と握手したことを2年3ヶ月経った今でも覚えています。

初勝利後はノド鳴りの疑いで検査を行いましたが、異常はないとのことでした。
その後、年内は出走しないこととなり、宇治田原優駿ステーブルでの調整が続きます。

帰厩も近いと思われた2016年12月、転厩の知らせが届きます。「安達厩舎の馬房調整のメドが立たず、目標としていた2017年1月京都開催への出走もはっきりしない」ということが理由で、栗東・作田誠二厩舎へ転厩となりました。

4歳・再度芝へ転向

2017年1月に作田厩舎へ帰厩し、転厩後初戦となった2月12日の500万下・小倉ダート1000mで4着と好走します。

しかし好走は続かず、その後は8〜10着が6戦続きました。ただ、この間はダート4戦・芝2戦、距離も1000〜1400mまで様々なレースを使い、適性を探る時期でもありました。その中で、2017年10月21日の新潟12R十日町特別・芝1400mでは脚をためて差す競馬を試し、着順は9着と振るわないもののきっかけを掴みます。

2017年11月11日、福島8R芝1200mに出走しました。この日は同世代の出資馬ジェルミナーレも同じレースに出走するということで、福島競馬場まで観戦に行きました。
レースでは、ジェルミナーレが2番手、アマルティアは好スタートから抑えて4番手で進み、ジェルミナーレが4コーナーで苦しくなったところを楽にアマルティアが2番手に進出。しかし最後は先頭を捉えきれず、アマルティアは2着となりました。
この時騎乗した菊沢一樹騎手は▲で斤量52kgだったので、斤量減の恩恵も大きかったのではないかと思います。

2017年12月17日の中京7R芝1400mでは、引き続き▲菊沢一樹騎手が騎乗し、逃げてよく粘りましたが5着に敗れました。
ハンデの恩恵もあり惜しいところまではいっていますが、1400mを逃げ切るには少し力が足りませんでした。

5歳・500万下を勝ちきれず引退へ

2018年は2月18日の小倉7R芝1200mから始動。4番人気でしたが、馬群に包まれて追い出しも遅くなったようで9着と敗れます。

2018年4月1日の阪神7R芝1200mでは、最内を通って差す競馬で理想的な形に見えましたが、5着まででした。
このあたりで僕は、55kgを背負うと厳しいのではないかと思うようになります。できれば▲か△の騎手を乗せてもらいたい。

2018年4月22日、福島8R芝1200m・☆木幡巧也騎手で6着。
2018年7月21日、中京12R芝1400m・松山弘平騎手で6着。
2018年10月14日、新潟12R寺泊特別 芝1600m・菊沢一樹騎手で8着。
2018年10月28日、新潟12R柏崎特別 芝1600m・菊沢一樹騎手で7着。

減量の効かない条件への出走で、掲示板にも届かない結果が続きます。

豊川特別の本馬場入場をするアマルティア

先日の2018年12月2日、チャンピオンカップ当日の中京9R豊川特別 芝1600mに松山弘平騎手で出走。好スタートから前に壁が作れない状況で3番手に進み、3コーナーでは2番手に進出するも直線では手応えが残っておらず、11着と敗れました。

豊川特別の返し馬を行うアマルティア

そして2018年12月5日にクラブより引退が発表されました。

感想

アマルティアは長期離脱となるような怪我はなく、デビュー後の7ヶ月、初勝利後の5ヶ月のほかは、全て3ヶ月以内の間隔で出走してくれました。2歳時に1戦、3歳時に7戦、4歳時に9戦、5歳時に7戦の合計24戦を走り、そのうち現地観戦できたのは13回。よく走り、楽しませてくれました。デビュー戦、初勝利、福島で2着、そして最後のレースとなった豊川特別など、節目のレースを生で見ることができて良かったです。

レース以外では、宇治田原優駿ステーブルに2回お邪魔して、アマルティアを見学しました。現役の競走馬に触れる体験は初めてで、少しビビりながらアマルティアに触れたのを覚えています。未勝利時に伺った際には、スタッフの方が「1つは勝てると思います。」と仰っていたのを覚えています。その通りに勝ち上がってくれて、長く現役で活躍できて本当に良かったです。

また、2017年夏頃からアマルティアを担当された作田厩舎の月橋助手は、アマルティアをよくお世話してくださったようで、クラブにも毎週状況を伝えていただき、ありがとうございました。毎週クラブのウェブサイトにアップされるコメントで、アマルティアの様子が伝わり、実馬を見れない期間でも楽しむことができました。

惜しいのは、最後の3戦が芝1600m・斤量55kgで、好走パターンではない条件を続けて使って引退となったこと。距離短縮と平場に見習い騎手で斤量減が効くレースを使ってほしかった。2018年11月には福島1200mへの出走が予定され、期待していましたが、それが叶わなかったことが残念です。

今後は幾千世牧場で繁殖牝馬となる予定と発表されています。
まずは無事に子どもが生まれてくることに期待しています。